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2026.07.15

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【理工学部】サミュエル?ポワンクルー助教が参加する研究グループが“ほどけ方”で编み物を分类する新理论を构筑

立命馆大学総合科学技术研究机构の嶋本大祐専门研究员、东北大学材料科学高等研究所(奥笔滨-础滨惭搁)のソニア?マムーディ助教、本学理工学部物理科学科のサミュエル?ポワンクルー助教らによる研究チームは、编み物の本质が、作りやすさと表里一体の壊れやすさにあることを明らかにしました。ほどけ方に基づいて构造を分类することで、「编み物」を数学?物理の観点から改めて定义し、编み物の范囲を无数の未知の构造にまで広げました。具体例として、伝线しない编み物や、逆に壊れやすい编み物の构造を提示しています。

【论文タイトル】
Topological defect propagation to classify knitted fabrics
【着者】
Daisuke S. Shimamoto, Keiko Shimamoto, Sonia Mahmoudi, and Samuel Poincloux
【掲载ジャーナル】
Physical Review X
【掲载日】
2026年7月15日(水)00:00(日本时间)
【顿翱滨】
https://doi.org/10.1103/g565-3dyn

研究のポイント

■ 周期的に糸が絡まった構造を、ほどけ方に基づいて分類する方法を提案
■ 未知の構造が編み物として作成可能かどうかを判定可能に
■ 伝線しにくい構造や、逆に壊れやすい構造など、壊れ方を制御した新しいトポロジーを考案

研究成果の概要

本研究では、「编み物とは何か」をトポロジー※1の観点から定义し、周期的に糸が络まった构造が编み物として作成可能かどうかを判定する方法を提案しました。
棒针编みやかぎ针编みでは、糸の両端を固定したまま小さな操作を繰り返すことで、大きな布を作ることができます。本研究チームは、この「局所的な操作のみで作れる」という制约が、糸の络まり方にどのように反映されるかに着目しました。特に、编み物では一部分の络まりがほどけると、その変化が周囲へ连锁的に広がるという特徴がある点に注目しました。本研究ではこの连锁を「欠陥」の伝播として记述し、その伝播の仕方に基づいて构造を分类しました。これにより、初めて见る构造であっても、トポロジー情报のみから、编み物として作成可能かどうかを判定できるようになりました。
この手法を応用することで、ストッキングの伝线のように、络まりの崩壊が広范囲へ広がる现象を、统一的に理解できることも示されました。さらに、欠陥が広がりにくい构造を设计することで、部分的にほどけても连锁的に壊れにくい新しい编み物の例を提案しました。

研究の背景

一本の糸を特定の操作で繰り返し络めていくことで、布を作ることができます。一般的にこの操作を「编む」と呼び、その结果として作られる布を「编み物」と呼んでいます。编み物は、织物のように多数の縦糸と横糸を必要とせず、一本の糸から柔らかく复雑な构造を作ることができるという特徴を持っています。そのため、古くから衣类や工芸に用いられてきました。
しかし、そもそも编み物とは何でしょうか。なぜ、限られた种类の编み物しか使われていないのでしょうか。どのような构造が编み物として作れるのか、という问题は、これまで数学者や物理学者の研究対象となってきませんでした(図1)。现在使われている编み方は経験的に発展してきたもので、未知の构造を目にしたときにそれが编み物として作成可能かどうかを判定する一般的な方法は存在していませんでした。
一方、糸の形状そのものではなく、その络まり方、すなわちトポロジーを扱うのに适した理论として、结び目理论※2が知られています。结び目理论では空间の中で络まった曲线を络み目と呼び、切ったり贴ったりすることなく、滑らかな変形に基づいて络まりを调べます。実际の糸も柔らかく変形することができますが、络まり方そのものを変えるには糸を切る必要があります。そのため、トポロジーに注目することで、物理的に可能な操作を议论することができます。
糸の络まり方は、布の柔らかさや物理的な性质を左右します。しかし、编み物をトポロジーによって定义し、その范囲を明らかにする理论は、これまで存在していませんでした。そこで本研究では、周期的に络まった构造をトポロジーに基づいて分类することで、编み物とは何かを数学や物理の観点から理解することを目指しました。

図2:端のない编み物の一部分を仮想的にほどき、それが全体に伝わるか否かが编めるか否かに対応する。

研究の内容

本研究チームは、周期的な构造の络み目を、そのほどけ方に基づいて分类する方法を提案しました。本研究では、络み目を格子に区切り、小さなセルの繰り返しとして表现します。そして、それぞれのセルのトポロジーに対しほどけている状态と络まっている状态の二つの状态を定义し、曲线を切り贴りしないという制约のもとで、どのように状态が迁移することができるかを考察します。
その结果、「あるセルが二つの状态间を迁移するためには、どのセルがほどけていなければいけないか」という依存関係に基づいた分类が可能になりました。
この分类から、编み物には、ある场所で生じた変化が周囲へと连锁的に伝わるという共通の特徴が现れることが分かりました。すなわち、糸を切ったときに、そこからほどけが広がるものが编み物として分类されます(図2)。この考え方を用いることで、未知の构造であっても、そのトポロジー情报から、编み物として作成可能かどうか判定できるようになりました。
つまり、従来は経験的にしか知られていなかった编み物の范囲を、无数の新しい构造にまで拡张できることが示されました。
さらにダイナミクスに目を向けると、编み物の破壊も同じ考え方で理解できることが分かります。编み物の连锁的な破壊の代表例が、ストッキングの伝线です。伝线とは、最初に一箇所で糸が切れたことをきっかけに、长距离にわたって络まりがほどけていく破壊现象です。このように、ほつれが连锁する现象は、欠陥が一方向へ伝播していく过程として记述できます。
伝线は悩ましい现象ですが、小さな変形だけで作ったり壊したりできるというこの性质は、编み物の作成の容易さと表里一体であると言えます。
そこで最后に、作りやすさを保ったまま、壊れやすさだけを取り除けば、より兴味深い构造が作れるのではないかと考えました。例えば、あるセルがほどけるためには、周囲の复数のセルが同时にほどけていなければならないという依存関係を持たせれば、破壊の连锁が停止する、丈夫な布を作ることができるはずです。
本研究では、その一例として、部分的にほどけても破壊が连锁しない编み物の构造を考案しました。また同様のアプローチにより、伝线が広がりやすい依存関係を设计し、通常の编み物よりも逆に壊れやすい构造の例も提示しました。

図2:端のない编み物の一部分を仮想的にほどき、それが全体に伝わるか否かが编めるか否かに対応する。

研究の社会的な意义

本研究は、どのような构造が编み物として作成可能かを、トポロジーに基づいて判定する方法を与えるものです。この方法により、新しいテキスタイルの発见を体系的に行えると考えられます。例えば、计算机による自动探索を行えば、これまで想定されていなかった性质を持つ构造が见つかる可能性があります。
また本研究では、布の壊れやすさがトポロジーで决まることを示しました。これは、同じ材料を用いても、トポロジーを変えるだけで破壊挙动を制御できることを意味します。例えば、部分的に损伤しても伝线しにくい布を作ることで、廃弃される布製品を减らせる可能性があります。逆に、一定条件で壊れやすく设计された布など、机能性を持つ构造の创出にもつながります。
さらに、本研究で导入した「欠陥」とその「伝播」という考え方は、布に限らず、ひも状の构造が复雑に络まり合うさまざまな问题へ応用できる可能性があります。高分子科学やロボティクスをはじめとする多くの分野において、新たな设计指针や理解につながることも期待されます。


<用语説明>
※1 トポロジー:長さや角度ではなく、切ったり貼ったりしない変形で保たれる性質を扱う数学の分野。
※2 結び目理論:空間内で絡まったひも状の曲線を、切らずに変形できるかどうかという観点から分類する理論。

<関连情报>